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笹幸恵
2020.12.2 19:45メディア

ガダルカナルをリアルで? インチキ言うな。

今朝の羽鳥慎一モーニングショーで、また玉川徹が
政府のコロナ対策をガダルカナルに例えて批判した。
もういい加減にしてほしい。

なんとかの一つ覚えで繰り返すから、
こちらも繰り返して言わなければならない。
玉川は「戦力の逐次投入、けしからん」と
言いたいのだろうけど・・・いいですか、
コロナは「攻撃して殲滅すべき米軍」では
ありません。逐次投入など何の関係もありません。
ウイルスからどうやって身を守るか、
つまり防御の話です。
もっと正確に言えば、どうやって共生していくか、
これがウイルス対策の眼目です。
コロナだけ怖がって殲滅対象とするなんて、
そもそも発想の根幹が間違っている。

「ガダルカナルの戦いをリアルで見ているようだ?」
ふざけたこと言いなさんな。
飛行場と空港の区別もつかない人間が、
何をもって「リアル」などと言えるのか。片腹痛いわ。
ついでに言えば、日本陸軍を悪者にしているけれど、
これだって私から言わせれば戦後日本人の浅薄な見方。
ガダルカナルは、そもそも海軍が目をつけて
飛行場を建設したことをご存じ?
陸軍はそれに引きずられて戦力を投入したに過ぎず、
そもそも太平洋正面は海軍の担任区域だった。
その前提を抜きにしてガダルカナルの戦いを
語ることはできないのだ。もちろん逐次投入の話もそう。
陸軍ばっかり悪者にするんじゃないよ。

もういい加減、聞きかじった程度の知識を
自信満々に披歴してコロナの不安を煽るのは
やめなさい!!!

戦後日本のインテリの浅はかさと傲慢さを
全部凝縮したような人間だな、玉川って。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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